事業案内
文化連は、厚生連病院や健診施設で使用する医薬品、医療材料、医療器械の「共同購入」(共同購買)を事業の柱としています。
特に1948年の創立以来、会員厚生連・病院と協同した全国規模の共同購入に取り組み、スケールメリットの発揮による安定的・継続的な廉価購入・費用削減を実現し、病院経営に寄与してまいりました。
最大の強みは、農協法に基づき協同組合に認められた共同経済行為として共同購入を行なっている点にあります。請負業者が介在した形式的な共同購入とは法的な意味合いが全く違うものです。参加する厚生連・病院と統一した交渉目標・方針をもって、メーカー・卸と価格交渉を行ない、購買データ分析や使用する薬剤・医療材料の使用選択、帳合変更等の流通対策といった効果的な方策に協同で取り組み、成果を獲得してきました。
会員が「参画して協同する」という、まさに協同組合の理念と制度に則った仕組みです。今後も会員とともに協同の輪を大きく広げ、厚生連病院の経営健全化、地域医療に貢献してまいります。
近年の医薬品購入において、薬価制度抜本改革、流通改善ガイドライン、未妥結減算制度など、医療機関側に不利となるような制度改正が次々に行なわれ、医療機関を取り巻く購入環境は急速に変化しています。
文化連では、『厚生連医薬品全国共同購入委員会』を設置し、毎年、会員とともに情勢変化に対応した交渉方針を確立し、製薬メーカーや納入卸との価格交渉を担っています。
『薬剤選択部会』では、厚生連病院の薬局長など薬剤師を中心に、後発医薬品(ジェネリック医薬品)の推奨・統一的採用など薬剤選択や標準化に取り組み、会員の院内薬事委員会との連携・情報交換の強化に取り組んでいます。
さらにDPCデータを基にした薬剤使用比較分析や、『薬剤師研修会』などの医療専門職向け研修会の企画、フォーミュラリーやポリファーマシー対策の情報交流など医療の質の向上や経営改善に取り組んでいます。
医療材料においては、循環器や整形材料などの高額医療材料の開発競争と医療技術の発展のなかで、年を追うごとに購入費用が伸長しており、病院経営を圧迫しています。
文化連では、『厚生連医療材料全国共同購入委員会』を設置し、医薬品と同様に、毎年、会員とともに情勢変化に対応した交渉方針を確立し、医療材料メーカーや納入卸との価格交渉を担っています。
『臨床工学部会』や『循環器部局会議』では、臨床工学技士を中心に、人工透析装置や循環器領域の高額医療材料の費用削減と医療安全面における質の向上に特化した取り組みを進めています。
さらにJAプライベートブランド商品として、プラスチック手袋、消毒綿、ペーパータオル、採尿コップなどの開発や、臨床工学技士向け研修や院内感染予防対策研修などの教育啓発活動も展開しています。また臨床検査技師と連携した臨床検査用試薬・検査機器の購入・更新対策にも取り組んでいます。
高機能化、高額化するCT,MRIなど大型放射線機器を中心に導入支援や保守適正化事業を行なっています。特に機種選定の段階から関わりながら、購入、保守メンテナンス、廃棄までのライフサイクルコストの低減を重視した取り組みを行なっています。メーカー本社との交渉では、各病院より収集した機器の故障修理履歴や稼働情報を活かし、機器の品質改善、保守料金の削減を要求し、コスト削減を実現します。
また病院の増改築や新築移転の支援も行なっており、医療器械の廉価購入のほか、専門のコンサルタントと連携した企画・情報提供や、事務作業のサポートに取り組んでいます。
医療材料には、製品種類が多く、製品マスター情報が不揃いといった課題があります。文化連において、厚生連病院で共同利用する製品マスターを作成・メンテナンスしています。また物品管理システムの導入支援を行ない、各病院での効率的な医療材料管理や、医事請求等の病院情報システムとも連携できるようサポートしています。
文化連を事務局とした『厚生連病院治験ネットワーク』のもと、賛同する厚生連病院と協同して、臨床試験の実施環境の整備に取り組んでいます。治験実施可能性調査や見積交渉などの治験依頼者からの問い合わせ・折衝の窓口や必須文書の保管・管理等を一括して行なっております。『厚生連病院共同治験審査委員会』(IRB)での審議による共同治験を推進しており、厚生連病院において円滑に臨床試験が実施できるようサポートしています。