政府、中医協、流改懇に10項目の要望
8月11日、文化連は、10項目からなる「医療用医薬品にかかる制度と流通に関する要望書」を厚労省医政局長、財務省主計局長、中央社会保険医療審議会薬価専門部会委員(診療側委員、公益委員)、医療用医薬品の流通改善に関する懇談会委員(診療側委員、公益委員)の21名の方に送付しました。本会は引き続き、会員の要望に基づき、協同の力で薬価制度・医薬品流通・価格交渉等における制度課題に取り組んでいきます。
>>10/7「流通改善ガイドライン」改訂案に関するパブリックコメントを提出しました。
要請項目(要望書から抜粋)
- 1. 薬価および診療報酬の改定にあたっては、公正な価格交渉による適正な市場実勢価格に基づき薬価を引き下げる現行制度の運用を継続し、薬価引き下げにより生まれた財源を診療報酬の充実強化に着実に振り向けるようお願いします。
- 2. 新規医薬品の薬価については、製薬メーカーの営業利益率設定の適正化、新薬創出・適用外薬解消等促進加算要件の厳格化等により、透明性を確保した算定を行うようお願いします。
- 3. 薬価の中間年改定のあり方については、毎年改定を理由とした市場実勢価格の高止まりに作用する可能性や現場の業務負担増等の問題点を洗い出すとともに、その財政効果の程度を的確に調査・評価したうえで、見直しを含めた慎重な検討をお願いします。
- 4. 薬価改定時に考慮される調整幅については、医療機関における医薬品管理・保管等の実態把握を行うことにより、必要な率の拡大の可能性を含めて実情に即した検討をお願いします。
- 5. 製薬メーカーと卸の間の交渉(川上取引)の適正化については、一時売差マイナス問題や不透明なリベートの解消等を徹底させるため、交渉が停滞・後退している実態と原因、早期の改善対策を明確にさせて、「流通の改善に関する懇談会」等の場において実効的な監視と指導をお願いします。
- 6. 「医療用医薬品の流通改善に向けて流通関係者が遵守すべきガイドライン」の改定案にある「妥結価格の変更を前提とした再交渉を原則行わない」との文言については、適正使用・薬剤費削減のための薬剤選択の取組みにおいては妥結後の交渉による価格形成となることがある等を考慮して、柔軟な運用および表現の見直しをお願いします。
- 7. 「医療用医薬品の流通改善に向けて流通関係者が遵守すべきガイドライン」の改定案に独禁法上の「不当廉売」禁止の文言を盛り込むことについては、卸の自由な価格交渉を委縮させる懸念やこれを口実とした価格高止まりを招く可能性があり、表現の見直しや定義の明確化をお願いします。
- 8. 製薬メーカーによる「卸1社流通」の動きについては、単独となる卸と医療機関との間の価格交渉の硬直化や価格高止まりへの影響の調査および法的な評価について検討をお願いします。
- 9. 後発医薬品の品質確保と安定供給の課題については、これを維持するため、行政による製造管理体制の監視の徹底、およびこれらの医薬品の薬価の下支えを含む財政支援の継続をお願いします。
- 10. 抗菌薬等の安定確保、医薬品の品質確保と安定供給の課題については、国内生産にかかる設備費用等、財政支援の措置の検討をお願いします。
>>医療用医薬品にかかる制度と流通に関する要望書(全文)
>>要望書「10項目」についてのご説明資料