本格化する医療・介護連携を考える
第25回経営研・第27回福祉研を合同開催
5月24日(金)に「本格化する医療・介護連携を考える」をテーマに第25回厚生連医療経営を考える研究会(経営研)と第27回厚生連病院と単協をつなぐ医療・福祉研究会(福祉研)をオンラインで合同開催しました。会員厚生連・病院・単協等から38施設約130人が参加しました。
第1部「地域包括医療病棟の新設と地域密着型病院の展望」の特別講演では、日本福祉大学名誉教授の二木 立 先生より、「病院の将来と2024年度診療報酬改定―地域包括医療病棟の新設を中心に―」と題してご講演いただきました。今回の診療報酬改定を受けた地域密着型の中小病院の将来展望や、地域連携の強化とその手法、新設された「地域包括医療病棟診療料」などを中心に解説いただきました。
第2部「『医療介護の連携』本格化段階の厚生連医療・農協福祉」の実践報告では、湖東厚生病院 病院長 波多野 善明 先生、海南病院 病院長 奥村 明彦 先生、JA 兵庫南・社会福祉法人稲穂会 林 佳史 部長の3人より、それぞれご報告いただきました。
波多野 善明 先生からは、「地域を支え地域の皆様に愛される病院を目指します」として実践報告をいただきました。高齢化が進む秋田県の状況と湖東医療再編計画を踏まえて、地域包括ケアシステムを支える病院として総合診療の拡充を目指したほか、入院・退院支援や、訪問診療、オンライン診療、訪問介護等、地域連携の取り組みなどについてお話しいただきました。
奥村 明彦 先生からは、「ともにすすめる地域づくり~海南病院における医療・介護の連携~」として実践報告をいただきました。病院が位置する海部医療圏の基幹病院として、高度急性期機能を強化してきたことや、介護保険制度の実施前から、地域の必要に応じて訪問看護ステーションやヘルパーステーションを設置して地域の介護を支えてきたこと、回復期リハビリテーション機能の地域への移行などの医療機能の分化と連携を進めてきたことについてお話しいただきました。
林 佳史 部長からは、「社会福祉法人稲穂会への事業移管の経緯と展望~稲穂会への期待と今後の課題~」として実践報告をいただきました。JA兵庫南でのこれまでの介護事業の展開を紹介し、令和6年4月より社会福祉法人へ事業移管するにあたって、行政との協議事項と経過や、運営主体が変わることによる種々の環境整備の手法、職員や利用者・家族への説明と対応、収支改善などの課題や今後の事業の展望についてお話しいただきました。
パネルディスカッションでは、「医療介護の連携と地域包括ケア」をテーマとして、特別講演と実践報告について、各報告者からの意見交換を行い、議論を深めました。