会議・研修

病院の課題に向きあい魅力ある厚生連病院へ

第24回厚生連医療経営を考える研究会(経営研)を開催

2月10日、『医師の働き方改革に対応した魅力ある厚生連病院づくり』をテーマに、第24回厚生連医療経営を考える研究会(経営研)をオンライン開催し、42施設137名の方々にご参加いただきました。
実践報告では、厚生連病院の院長3氏から病院ごとの取り組みについて、ご報告をいただきました。

佐野厚生連・佐野厚生総合病院の村上円人院長から、病院長赴任時に医師不足や病院のビジョンの不明瞭さを実感し、解決のために医療需要の将来像に基づいた自院の課題について見極めるとともに、行政や医師会と懇談を行ない、佐野地域で求められる地域医療の実現へ検討を重ね、地域医療構想での自院の果たすべき役割と目標を設定したことなど、ご報告をいただきました。

新潟県厚生連・上越総合病院の篭島充院長からは、医師の働き方改革への対応についてご報告をいただきました。医師の働き方改革を実現しつつも、どうすれば自院の存続・発展が可能か模索した結果、病院の診療水準の高度化や質の向上、研修医・専攻医の確保、診療体制・病院組織の整備が重要になると話されました。また、病院再編や働き方改革に伴う医療改革は不可避であるが、住民と地域が望む新しい地域医療の形を検討していかなければならないと説明されました。

三重県厚生連・三重北医療センターいなべ総合病院の相田直隆院長からは、医師確保への対策についてご報告をいただきました。自院の課題として、医師不足による収入減少、十分な救急受け入れ態勢をとれないことなどを挙げ、異なる二次医療圏にある菰野厚生病院と自院で三重北医療センターを構成して医療機能の分担・連携を強めることや名古屋市立大学病院との連携による医師確保により、改善につなげていると話されました。

事前オンデマンド配信による基調講演として、産業医科大学教授 松田晋哉 先生より「ポストコロナ・超高齢社会における地域づくりを担う厚生連・公的病院の役割」と題してお話しいただきました。新型コロナウイルス感染症拡大時のアメリカでの対応を例として挙げ、IT化や救急医療体制の見直し、病院の機能分化と連携の強化が重要であると紹介されました。そして多くの高齢者を抱える日本では、入院医療と在宅医療との連携体制の確立なども必要であると解説し、地域の医療を担う厚生連病院としても、それらの点に重点を置くべきだと話されました。

また、同じく事前オンデマンド配信により、東京医科歯科大学名誉教授の高瀬浩造先生より「医師の働き方改革に伴う大学病院、地域医療への影響」として問題提起をいただきました。

当日のパネルディスカッションでは、高瀬浩造先生を司会に、パネリストに村上円人院長、篭島充院長、相田直隆院長にご登壇いただき、オンラインで寄せられた質問も交えながら議論を深めました。