医療メディエーションのIPIを学ぶ
厚生連医療メディエーター実践者スキルアップ研修会を開催
10月30日、山形大学医学部総合医学教育センター准教授 中西淑美先生をお迎えし、オンラインにて厚生連医療メディエーター実践者スキルアップ研修会を開催しました。研修には、午前と午後の部を合わせて6厚生連11施設から延べ17名が参加しました。
まずは紛争に関る両者の情報を探索して整理する「IPI分析」(語りの中から問題『Issue』、要求や主張『Position』、要求や主張の裏に隠れている本当の欲求『Interest』を見つける分析法)を復習し、実際に病院で起こった救急外来での受付トラブルといった事例に取り組み、理解を深めました。
医療メディエーターにとって重要なことは、患者と医療者の対話の中で両者の本当の欲求(Interest)を理解し、それを気付かせるような情報共有をするよう「導く」ことです。深い情報共有が図れるよう、医療メディエーターには患者と医療者の緊張した関係を解きほぐし、両者の対話が促進されるようにナビゲートしていくことが求められています。
医療メディエーターの養成に力を入れることで、問題が早期解決し、紛争解決に係る関係者の労力の軽減といった効果も出ています。また医療メディエーションは、本当の欲求(Interest)へのアプローチができ、双方が納得した形で問題解決できる為、話し合い終了後も患者と良好な関係を築くことができます。院内で医療メディエーターが活躍することで医療の質の向上にも大きな成果が出ています。
後日、受講生から「非常に学びが深く、現場の事例を整理することができました。本日、既に複数の苦情事例報告を、IPIの考え方でまとめて報告しています。」との嬉しい声が寄せられました。