第1回厚生連診療情報分析報告会を開催
第1回厚生連診療情報分析報告会
文化連では、厚生連病院の診療情報分析のための協同の取り組みを進めています。2月28日(金)に第1回厚生連診療情報分析報告会をオンライン開催し、9厚生連39人に参加いただき、プロジェクトの概要報告ならびに診療情報の分析結果をどのように生かしていくのかについて紹介を行いました。
報告会では、文化連特任指導職で東京科学大学名誉教授の高瀬浩造先生が、事業報告を行いました。高瀬先生は、各医療機関では電子カルテに膨大な医療情報(リアルワールドデータ)を蓄積しているが、その利用が診療報酬請求や院内での分析にとどまっていることを指摘。リアルワールドデータを製薬企業や社会に向けて提供することで、医薬品や材料の製造コストの低減や診療の原価計算への活用など、社会的な付加価値を示すことができると解説しました。
特別講演では、京都第二赤十字病院特任院長補佐の田中聖人先生が、「大規模医療データベースの意義と今後の可能性について」と題して講演されました。田中先生は、世界最大の内視鏡診療データベースの構築を目指す日本消化器内視鏡学会のJED-Projectの取り組みを紹介し、データ標準化の重要性や、医療機器との連携による診療データ収集の効率化について説明されました。また、医師の診療実績の精確な把握による医療の質向上へ向けて多職種からのデータを合わせることが求められるため、施設の職員全体での取り組みが重要となると説明されました。
事例紹介では、株式会社JMDCの山本順一氏が「診療行為情報分析事例紹介」、リアルワールドデータ株式会社の羽山陽介氏が「臨床レポート分析事例紹介」として、厚生連病院より実際に提供された診療情報データをもとにコロナ禍以降の環境変化を踏まえた分析結果について、それぞれ紹介しました。
